海から生まれた小さな美しさを求めて

evening calmの始まりは、20年ほど前のシーグラスとの出会いでした。
海外のサイトで、海辺から採集されたガラスが、まるで宝石のように紹介されているのを見たことがきっかけです。
「日本の海でも、こんなシーグラスを見つけることができるのだろうか。」
そんな素朴な疑問から海岸へ足を運ぶようになりました。
当時は、今ほどシーグラスに関する情報も多くありませんでした。
実際に海岸を歩いてみても見つかるのは、まだ角の残ったガラス片ばかり。
それでも海岸を歩き続けるうちに、ある日、思わず足を止めてしまうようなシーグラスに出会いました。
何度も波に運ばれ、石や砂と触れ合いながら、長い時間をかけて丸みを帯びた形。
光をやわらかく通す、すりガラスのような表面。
そして、人の手では簡単につくることのできない、穏やかな色合い。
それは、かつて誰かの暮らしの中にあったガラスが、海と時間によって少しずつ姿を変えたものでした。
その美しさに魅せられてから、シーグラスを探す時間は、単なる趣味ではなくなっていきました。
海岸を歩き、ひとつひとつ拾い上げ、形や色、表面の質感を眺める。
同じものは二つとしてなく、その一つ一つに異なる時間と物語がある。
そんなシーグラスの魅力を知るほどに、もっと多くの人にこの美しさを伝えたいと思うようになり、ハンドメイドイベントやネット販売を始めました。
そして2015年、「evening calm」をスタートしました。
海がつくったものを丁寧に選ぶ
evening calmで扱っているのは、単に「海で見つかったガラス」ではありません。
長い時間を海の中で過ごし、波や砂、石との接触によって生まれた独特の表情。淡く変化した色。
すりガラスのようなフロスト状の表面。
小さな傷や凹み、気泡の跡。
そうした、一つひとつ異なる個性を大切にしながら、自ら海岸で採集したシーグラスを選んでいます。
また、海辺ではガラスだけでなく、かつて人の暮らしの中にあった陶器の欠片に出会うこともあります。
長い年月を経て海から姿を現した「シーポッタリー」も、シーグラスとはまた違った魅力を持っています。
どちらも、自然が偶然つくり出した美しさであると同時に、そこには過去の人の暮らしの痕跡も残されています。
想い
シーグラスは、ただ「きれいなガラス片」というだけではありません。
なぜ、この色は珍しいのか。
なぜ、表面は白く曇るのか。
なぜ、丸い凹みや気泡の跡が生まれるのか。
それぞれの形や色、表面には、ガラスそのものの性質だけでなく、海の環境や長い時間の影響が刻まれています。
このブログでは、そんなシーグラスやシーポッタリーの魅力を、採集する側の視点から紹介していきたいと思います。
「きれいだから」だけでは終わらない、シーグラスの奥にある物語を、一緒に楽しんでいただけたらと思っています。
海が磨き上げた、小さな時間の欠片
かつて誰かが使っていたガラスや陶器。
海へ流れ着き、波に運ばれ、砂や石に磨かれながら、長い年月をかけて別の姿へと変わっていく。
その過程を私たちが直接見ることはできません。
けれど、海岸で拾い上げた一片の中には、その時間の痕跡が確かに残されています。
evening calmは、そんな「海が育んだもの」に惹かれています。
これからも海岸を歩き、一つひとつの出会いを大切にしながら、シーグラスやシーポッタリーの魅力をお届けしていきます。
